【サッカー観戦の楽しみ方】No.30 決定機を演出する戦力『声』のちから
2月26日にJ1リーグが開幕し、3月6日に第2節が行われました。
セレッソ大阪の西尾選手やコンサドーレ札幌の菅野選手が顔面ブロックを見せるなど、気迫溢れるプレーが連発していました。
見ごたえ十分。Jリーグは面白いです。
セレッソ大阪の大久保選手は自身初の開幕3連発4得点で絶好調。
衰えるどころか、得点感覚が研ぎ澄まされています。
得点後に若いチームメイトと笑顔を見せながら抱き合っているシーンをみると、
チームの雰囲気の良さがうかがえます。
今回は、週末土曜日に行われたJ1リーグ第2節から注目プレーを紹介したいと思います。
☆今週のピックアッププレー☆
【FC東京 vs セレッソ大阪】 原川力選手の2得点目 〔3:58〕
セレッソ大阪の2得点目は原川選手と清武選手の連携から生まれています。
右サイドから大久保選手がマイナス方向へグランダーのクロスを上げて、そのボールに清武選手が反応しています。
清武選手はボールに触れることなく『スルー』のプレーを選択し、後ろから走りこんできた原川選手がダイレクトでゴール左隅にシュートを打ち、ゴールを奪っています。
この一連のプレーで注目すべきは、ゴールにつながった『スルー』というプレーです。
スルーがうまく機能する状況は、最初にボールを受ける選手の背後にスルーしたボールを受ける選手がいるときです。
しかし、このような状況では最初にボールを受ける選手は背後に味方選手がいることになるので、その存在を確認することが難しくなります。
さらに、選手間の連携が上手くいかないと、スルーしたボールを易々と相手に奪われる可能性も高いです。
そこで連携を深めるのに大事になるのが『声』です。
スルーのプレーが生まれるときには必ず後ろの選手が大きな声で「スルー」と指示を出しています。
最初にボールを受ける選手は、この一声で背後に選手が走りこんできているということを認識します。
相手ディフェンスにスルーのプレーがバレてしまいそうですが、プレーを選択するのは最初にボールを受ける選手です。
スルーするのか、自分でシュートまで持っていくのか、プレーの選択肢が増えることになるので相手DFは簡単に守ることが難しくなります。
サッカーにおいて『声』は大きな戦力になります。
名前を呼んだり、チームを鼓舞したり、いろいろと使い方がありますが、
今回のような決定的なプレーを演出する使い方もあります。
コロナの影響でサポーターの応援の音も通常と比べればそこまで大きくないので、
耳を澄まして観戦してみるのも面白いかと思います。