【サッカー観戦の楽しみ方】No.26 キーパーがもらってうれしいバックパスとは?

 

全国高校サッカー選手権が閉幕して間もないですが、高校サッカーの新シーズンはもう動き出しています。

 

都道府県では、新チームでの初めての大会である「新人選手権大会」、通称「新人戦」が始まっています。

 

全国高校サッカー選手権で準優勝だった青森山田高校は見事優勝、

優勝した山梨学院高校は難なく勝ち上がっています。

 

高校生の新シーズンが始まっているこの時期から、サッカー観戦を始めようとしている人に向けて、今回は意外と知られていないサッカーのルールについて紹介していきたいと思います。

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バックパス

サッカーを観ていると観戦をしているとよく味方選手がゴールキーパーにパスする「バックパス」が目に付くと思います。

 

足でパスすることもあれば、あえてヘディングでパスすることもあると思います。

 

いっけん何の違いもないプレーに見えますが、実はこの2つのプレーには大きな差があります。

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キーパーはどっちがうれしい?

競技規則のp107に、

『ボールが味方競技者によって意図的にゴールキーパーにキックされる』ボールを『手または腕で触れ』たときに反則になるとあります。

>>イラストで分かりやすいルール説明|日本サッカー協会

>>サッカー競技規則 | 日本サッカー協会

 

つまり、味方選手が足でキーパーにバックパスしたボールをキーパーが手でキャッチすると反則ということになります。

 

ここでポイントになるのが、『意図的にゴールキーパーにキックされる』ボールを『手または腕で触れる』と反則になるということです。

 

言い換えると、足でキックされていないバックパスならキーパーは手でキャッチすることができます。

 

そこで、試合中によく見かけるあのプレーの違いがわかります。

選手たちがヘディングや胸などを使ってキーパーにバックパスするあのプレーです。

 

あのようにプレーすることで、ゴールキーパーは手でボールをキャッチすることができるようになるのです。

 

相手が近くにいたり、キーパーが飛距離のあるボールを蹴りたいときはボールを手で扱ったほうが圧倒的に有利になります。

 

ヘディングなどでのキーパーへのバックパスは、キーパーのプレーの選択肢を広げることを配慮した優しさに溢れたプレーなのです。

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最後に。。。

高校サッカーも新シーズンが始まっています。

サッカーサイトではすでに注目選手がピックアップされています。

今からウォッチしていると、来年の全国高校サッカー選手権をより楽しく観れるかもしれません。

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【サッカー観戦の楽しみ方】No.25 高校サッカーから学ぶFWのスキル

 

高校サッカーの決勝戦は手に汗握る熱戦でした。

延長戦でも決着がつかずPK戦までもつれ込み、見事山梨学院高校が優勝しました。

今大会では決勝戦が間違いなくベストゲームでした。

 

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青森山田と山梨学院の選手のなかには中学の所属チームが同じ選手もいて、お互い褒め称えながら試合している姿にも感動しました。

 

高校サッカーではこれまでにたくさんの有名選手を輩出してきました。

今回はそのなかでも「マジ半端ないって」で有名な超高校生級ストライカー、鹿児島城西高校出身の大迫勇也選手を例に、FWで重要なスキルについて触れていきたいと思います。

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FWの重要な技術

ポストプレー

大迫選手の代名詞を言えばポストプレーです。

ポストプレーとは、ボールを失わないようにキープして味方にボールをつなぐプレーを言います。

 

相手DFを背負いながらボールを受けて、味方の選手が攻撃の準備をする時間を稼ぎ、準備が整った選手にパスをする大事なプレーです。

 

大迫選手の凄さは相手から厳しいプレッシャーを受けてもボールを失わないキープ力です。

受け取ったボールを失うことなく確実に味方選手につなぐことができます。

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ヘディング

ヘディングはシュートやパスの手段です。

最高到達点でボールを捕らえるための予測力、跳躍力に加えて、狙ったところにボールを飛ばす技術が必要です。

 

大迫選手のプレーを見ていると、どの要素をとってもピカイチです。

いいボールが入ると相手は手がつけられません。

 

懐の深さ

高校生のときに体格が良かった大迫選手は、その体格を生かしたプレーばかりに目がいきますが、実は足元の技術もしっかりとしています。

 

ドリブルも細かいですし、DFから見るとタイミングも図りづらく、とても守りづらいです。

 

特にすごいのがボールの持ち方です。

常に相手が足を出しても触ることのできない位置にボールを置いています。

 

DFはむやみにボールを取りにいくことができず、下手に取りにいってしまえばかわされてしまいます。

 

また、身体でボールを隠しながらボールを持つプレーも得意です。

DFは一瞬ボールを見失ったと思ったら、次の瞬間にはかわされてしまいます。

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最後に。。。

今回は高校サッカーのときから怪物だった大迫勇也選手を例に、FWのスキルを紹介しました。

点を取る選手は他の選手にはない特徴があります。

そこに注目してみると面白いかもしれません。

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【サッカーの豆知識】No.24 選手が試合前に審判にチェックされるコト

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今回はサッカーの豆知識を紹介していこうと思います。

 

サッカーには「競技者の用具」といって、試合をするときに身につけないといけないモノが協議規則で決められています。

>>協議規則 | 日本サッカー協会

 

選手は試合前に審判にこの「競技者の用具」をチェックされます。

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チェックされる用具

すね当て(レガース)

競技規則のなかに「すね当て(レガース)」というものがあります。

その名の通りに「すね」に「当て」る道具で、足のすねが相手やボールと接触してときの衝撃をやわらげる役割があります。

 

すねは骨がほとんどむき出しになっている箇所で衝撃を受けるととても痛いです。

弁慶の泣き所とも言われますね。

 

「すね当て」はプラスチック素材などで作られている道具でスネを覆ってバンドやソックスなどでズレないように固定して使います。

 

小学生からプロまで試合に出場しているすべての選手のソックスの中に「すね当て」があります。

テレビ中継されているプロの試合中にチェックしてみてください。

選手のソックスから「すね当て」が浮き上がって見えると思います。

>>サッカーの入門マンガ「DAYS」

 

スパイク

競技規則では選手者の用具のなかで靴というモノが規定されています。

つまり「スパイク」です。

 

サッカーでは靴の裏に「ポイント」というポツポツした突起がついたスパイクを履かなければいけません。

 

スパイクを履くことでプレー中に土や芝生で滑るのを防ぎます。

 

スパイクには固定式と取替え式の2種類があります。

固定式はポイントが靴と一体となっています。

取替え式は靴に取替えが可能なポイントがついています。

ポイントは別売りされていて、擦り減ってきたら付け替えることができます。

>>本田圭祐協力マンガ「ファンタジスタ ステラ」

 

試合前にチェックされること

特に学生の試合では、試合前に審判から「すね当て」を付けているかと「スパイク」のポイントから金属が見えていないかをチェックされます。

 

取り替え式のスパイクは、練習や試合でポイントが擦れて金属部分が見えてきます。

金属部分が見えた状態で他の選手の足を踏んだり、接触したりすると大怪我につながってしまいます。

ですから、スパイクのポイントをチェックされるのです。

 

最後に。。。

今回はサッカーの豆知識を紹介してみました。

サッカーには豆知識がたくさんあるのでこれからもチョコチョコ紹介していきたいと思います。

 

【サッカー観戦の楽しみ方】No.23 じわじわと効いてくるFWの守備

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守備というのは相手にボールを奪われた瞬間から始まります。

ですので、相手ゴール近くでボールを奪われるとFWであっても守備をすることになります。

>>サッカーの入門マンガ「DAYS」

 

FWの守備が活きる場面は大きく2つあります。

 

相手DFがパス回しをしている場面

サッカーのフィールドは広いです。

縦90~120m、横45~90mと規定されています。

ワールドカップやオリンピックでは縦105m×横68mが採用されていて、日本ではこれを標準としています。

 

このフィールドに1チーム11人しかいないのですから、選手が連動して動かないと広大なスペースを効率良く守ることができません。

 

FWの守備は相手にプレッシャーをかけながらパスコースを限定していくことから始まります。

 

相手がボールを持っている位置によって、プレッシャーをかける方向を変えながら、タッチライン(フィールドの縦長のライン)に相手を追い込んでいきます。

 

相手はパスコースがなくなると危険を回避するためにボールを大きく前方に蹴り出すしか選択肢がなくなります。

そのセカンドボールが行き着く先は相手か味方のどちらかなので、50%の確率でマイボールにすることができます。

 

パスカットも狙っていくべきプレーです。

パスカットすることができれば素晴らしいですが、相手のパスを自分の足に当てるだけでもいい仕事になります。

そのボールを味方が拾うとマイボールになりますし、たとえタッチラインから外に出て相手のスローインになったとしても、パスでボールを運ばれるよりも相手陣地寄りでプレーを再開させることができます。

 

また、ボールを奪うことができなくても相手にプレッシャーを与えることでミスを誘発することもできます。

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相手GKが足元でボールを保持している場面 

サッカーの試合でよくキーパーがボールを手で取らずに足元でボールを保持していて、FWがプレッシャーをかけてキーパーにボールを取らせるというシーンを見かけると思います。

 

これはFWの大事な守備です。

 

相手GKがボールを手でキャッチしないのは時間稼ぎをしたいからです。

相手チームが勝っていたり、相手チームのリズムが悪いときによく見かけます。

 

GKはボールを手でキャッチしてから6秒以内に手からボールを離さないといけません。

FWは早くGKにボールをキャッチさせて相手の時間稼ぎを防ぐのです。

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最後に。。。

FWの守備はすごく大事ですが、その分走っているので体力の消耗が激しいです。

試合終盤になってもFWがプレッシャーをかけ続けているチームは強いチームです。

ぜひ注目してみてください。

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【サッカー観戦の楽しみ方】No.22 高校サッカーで勝敗を左右する要素

 

天皇杯川崎フロンターレガンバ大阪を下し見事優勝を果たしました。

年間を通してフロンターレの年になりました。

 

ところで、年末から始まった高校サッカーも終盤を迎えています。

新型コロナの影響で残りの試合が無観客になったのはかわいそうですが、選手たちには最後まで力を出し切ってほしいです。

 

今回は特に高校サッカーで勝敗を左右する「走力」について説明していきたいと思います。

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走れるチームほど有利

高校サッカーでは、大会の規模が大きくなるほど試合時間が長くなる傾向があります。

一般的な地方の大会では、前半30分、後半30分の「30分ハーフ」がほとんどです。

 

少し大きな大会になると「35分ハーフ」、全国大会などさらに大きな大会になると「40分ハーフ」になっていきます。

 

つまり、大きな大会になるほど体力、特に走力が必要になります。

走力に強みがあるチームほど試合を有利に進めることができるのです。

 

私立高校が公立高校よりも多く全国大会に出場にしている理由の一つがここにあります。

私立高校は授業の時間を部活の時間に充てるなどして、かなりの量の走りこみをして走力をつけています。

 

泊り込みの合宿となると、

宿からグランドまでランニング→午前練習後に走りこみ→午後練習後に走りこみ→グランドから宿までランニング

という話も聞いたことがあります。

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走力があると何がいい?

サッカーは1チーム11人、全体で22人で試合が行われ、22人で1つのボールを扱います。

ですので、1人の選手がボールに触る時間は短く、1試合で1~2分といわれています。

それ以外の時間はボールを触ることなく走っていることになります。

 

このことから走ることの重要性がわかると思います。

 

DFは相手FWをマークしてゴールを守るためにランニングします。

MFはパスをもらい試合を組み立てるためにランニングします。

FWは相手マークを外してゴールを奪うためにランニングします。

 

1人の選手が走れなくなって「足が止まる」とチームに穴ができ、その穴が徐々に大きくなり、さらにはチームの劣勢に繋がってしまうのです。

 

1試合を通して走りぬく「走力」は非常に重要です。

強豪校ほど、陸上部にも負けないくらい日ごろの練習から走っています。

>>サッカーの入門マンガ「DAYS」

 

最後に。。。

テレビで観戦する高校サッカーではその場面しか見ることができませんが、

一つ一つのプレーの裏には地道に積み上げられた過酷な練習があります。

そういったことを連想すると違った観かたができるかもしれません。

【サッカー観戦の楽しみ方】No.21 強いチームほど意識している小さなこと

 

天皇杯の決勝進出するチームが決まりました。

川崎フロンターレガンバ大阪のJ1対決となりました。

 

準決勝では両チームとも盤石な戦いぶりでした。ボールを支配してチームの特徴を活かした攻撃を展開していました。

得点差以上に実力の違いがみられた試合だったと思います。

 

今回は、両チームが実践していた「選手間のコミュニケーション」について解説していこうと思います。

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チーム力を高めるコミュニケーション

サッカーは11人のチームスポーツなので、選手がコミュニケーションを取りながら一丸となって戦うことで、チーム力は格段に大きくなります。

 

コミュニケーションを取るためには声を出します。

そのほかには、身体を使った意思表示「ボディランゲージ」があります。

試合中に選手が手を使ってアピールしているあのプレーです。

 

ほとんどのコミュニケーションはこれらで取っていますが、このほかにも味方にメッセージを送る方法があります。

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パスは情報の宝箱

パスは味方にボールを送る単なる手段に見えますが、実はメッセージを送ることができる重要なコミュニケーションツールです。

 

1本のパスは無限にある選択肢の中から選択されています。

パスの種類をとっても、ゴロ、浮き球、バウンド・・・。

パススピードも、速い、普通、ゆっくり・・・。

パスを蹴る足の場所も、インサイド、アウトサイド、インフロント・・・。

パスを出す場所も、足元、攻撃方向、守備方向・・・。

・・・

 

試合の状況にあわせて判断し、味方にパスを送ります。

つまり、出されたパスにはそのときの試合の情報がたくさん詰まっているのです。

 

例えば、コートを上からみて左側に攻めていて、左サイドハーフの選手にパスが渡る場面を想定します。

 

その場面で、パスが左足に出されると、身体が攻撃方向に向くので攻撃を仕掛ける合図になります。

逆に右足に出されると、身体が味方陣地を向くのでパスを回しながらゆっくり攻めていこうというメッセージになります。

 

そのときのパスのスピードも速ければ相手が近くにきている、ゆっくりであれば相手は近くにいないといったメッセージになります。

 

声を出さなくてもパスひとつでコミュニケーションを取ることができます。

細かいことですが、強いチームほど1本のパスを大事にします。

この意識が積み重なることで、大きなチーム力と差となって表れるのです。

 

最後に。。。

正月には天皇杯決勝が行われます。

川崎フロンターレガンバ大阪のトップチームの試合なので、ハイレベルな展開になること間違いなしです。

特にゴールに近いところでのパスに注目してみると面白いと思います。

【サッカー観戦の楽しみ方】No.20 ゴールを決めるための秘訣

 

Jリーグの最終節も終わり、川崎フロンターレの優勝で幕を閉じました。

ベストイレブン過半数が川崎から選出されています。

今節はまさに川崎の独壇場でした。

 

得点王は柏レイソルのオルンガ選手が獲得しました。

圧倒的なパワーとアフリカ特有の手足の長さを活かしたプレーが目立っていたように思います。

 

オルンガ選手はさまざまなシュートを決めていますが、ゴールを量産できる選手には特に意識していることがあります。

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今回は、シュートするときに選手が意識していることについて説明していきたいと思います。

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ゴールにパスする

選手がシュートするときは強いシュートを打つことよりも「ゴールにパスする」意識を強く持っていることが多いです。

 

シュートを打つ前にゴールを見て、キーパーの守備範囲外のコースにパスをするイメージです。

 

どんなに優秀なゴールキーパーでも防ぐことができないコースが存在します。そのコースに丁寧にボールを送ることでゴールが生まれるのです。

 

フリーキック(FK)やペナルティーキック(PK)のキッカーをみるとシュートはゴールへのパスなんだということが分かりやすいと思います。

 

FKやPKのキッカーはミッドフィルダー(MF)のことが多いです。

日本で有名なキッカーである中村俊輔選手や遠藤保仁選手はMFです。

 

MFはフォワード(FW)にパスを送るのが仕事ですから、パスの精度はピカイチです。

正確なパスでゴールにボールを流し込むことが上手い、MFがキッカーになることが多いのはこの理由からです。

 

遠藤保仁選手のPKは面白いですね。

コロコロPKといわれていたように、ゆっくりとしたゴロのボールをインサイドパスでゴールにいれるという、まさに「ゴールへのパス」を体現しています。

 

最後に。。。

今回はシュートを入れるための秘訣について説明しました。

Jリーグは終了しましたが、欧州リーグはまだまだ観れます。

是非シュートに注目してみてください。